第1回 座長、会場チームのPyCon JP 2016

はじめに

こんにちは、メディアチームの木村です。 2016年9月20日(火)から9月24日(土)までの5日間、PyCon JP 2016が開催されました。 21日と22日に行われたカンファレンスへの来場者数は過去最大の720人を記録し、大盛況に終わりました。 この連載では、運営スタッフがイベントの振り返りをします。この連載を通してPyCon JPの運営スタッフに興味を持っていただければ幸いです。

なお、PyCon JP 2017のスタッフ募集を既に開始しています。連載を読んでその活動に興味を持った方は、ぜひPyCon JP 2017スタッフに申し込んでください。 スタッフ申し込みは こちら で受け付けております。

それでは、第1回は座長あいさつと会場チームの作業内容について紹介します。

座長から見たPyCon JP 2016

PyCon JP 2016 Chair(座長)の鈴木たかのりです。

PyCon JP 2016は約720名 [1] (スタッフ、スポンサー参加者含む)の方に来場していただきました。 来場されたみなさんありがとうございます。 大きな混乱もなくイベントを終えられたのも、ひとえに来場者のみなさんの協力によるものと思っています。スタッフ一同、心より感謝します。

今年は「Everyone’s different, all are wonderful.」をテーマに、さまざまな素晴らしい人たちが楽しんで参加できるイベントにしようと、スタッフ全員で作り上げてきました。テーマ決定の背景については以下のブログに書いてあります。

PyCon JP 2016 集合写真

PyCon JP 2016 集合写真

残念ながら日程の都合がつかなかったり、チケットが売り切れたりして参加できなかった方は、PyCon JP 2016サイトのページからスライド、ビデオが参照できます。 また、 Togetterのまとめがあるので、そちらでも当日の雰囲気がわかると思います。

[1]クロージングでは速報値として680人としていましたが、集計し直した結果約720人でした。

イベント概要

PyCon JP 2016 は9月20日(火)のチュートリアル、21日(水)、22(木・祝)のカンファレンス、23(金)、24(土)の開発スプリントと過去最長の5日間にわたって、早稲田大学の西早稲田キャンパスで開催されました。 カンファレンスが一部平日開催となりましたが、アクセスの良さもあってか、平日にも関わらず多くの参加者のみなさんにご来場いただきました。ありがとうございました。

カンファレンスではJessica McKellar氏、Andrey Vlasovskikh氏の2名を 基調講演 に迎え、コミュニティとPython 3.6についてそれぞれ興味深いトークが行われました。 それに加えて 招待講演 として、PyCon JP参加者と接点が少ない分野の研究者の鷲崎弘宜氏、得居誠也氏のトークがありました。どちらも会場は満員で盛況だったようです。

Jessica McKellar氏による基調講演

Jessica McKellar氏による基調講演

トークセッションは会場が変わったこともあり、去年より多い5トラック(2015は3トラック)、48セッションが行われました。 トラック、セッション数を増やしたことにより、より幅広いトークを提供できたと思います。

今年初めての試みとしては招待講演に加えて、 プロダクトフェア というディープラーニングの「これから」についてのパネルディスカッションを開催しました。 他にも、今までオープンスペースで自主的に行われていた、コードリーディング系のイベントを ビギナーセッション と再定義して開催しました。どちらのイベントも好評だったようです。

チュートリアル ではチュートリアルスポンサーとして3社、1コミュニティにサポートいただき、6時間に渡って濃い内容のチュートリアルを実施していただきました。

開発スプリントは会場を日本マイクロソフトに移して行いました。 こちらも初めての平日+休日開催でしたが、平日から参加する方も多く、充実したイベントとなりました。最終日にはPyCon JPとしては初めて託児施設を隣の会議室に設営し、小さなお子さんを連れた参加者が安心して参加できるイベントの第一歩を踏み出しました。

託児施設の様子

託児施設の様子

スポンサー

今年もDiamond Sponsorの フンザ さまをはじめ、 多くのスポンサー企業 に本イベントをご支援いただきました。スポンサー企業の支援により、同時通訳、動画配信、キーノートスピーカーの招待やコーヒーブレイクの充実など、参加者がPyCon JPをより楽しむための環境を用意することができています。ありがとうございます。スポンサーによる企業ブースも昨年以上に盛り上がっていたと感じています。

スポンサーブース

スポンサーブース

また、 パトロンスポンサー には40名の個人、企業から支援をしていただきました。パトロンスポンサーの支援により100名の学生チケットの提供や遠方参加者の旅費支援を行うことができてきます。こちらも重ねてお礼申し上げます。

スタッフ

PyCon JP 2016 は約50名の スタッフ によって運営されています。 約半数が今年初めてのスタッフというフレッシュなメンバーで、本業の傍ら各チームごとに助け合いながらこの大きなイベントを運営してきました。 各スタッフの助力により大きな事故もなくイベントをスムーズに運営することができ、本当にありがとうございました、そしてお疲れ様でした。

この連載の中で、PyCon JP 2016のスタッフがどんな活動をしているかの一端が見えてくると思います。 今後のPyCon JPや他のイベントのヒントとなるような情報が提供できるとうれしいです。

PyCon JP 2016 スタッフ

PyCon JP 2016 スタッフ

会場チームのPyCon JP 2016の過ごし方

Party

 飲食担当の新井です。

 今年も例年通り、参加チケットにパーティーが含まれている形式で開催しました。これには参加者同士のリアルなコミュニケーションを重視するPyCon JPの思いが込められています。

 手配に関して今回は、朝食・ランチ・ドリンク・パーティーをまるっと エームサービス株式会社 さんにお願いしました。総額500万円を超える額となったため振込対応で大変だった面はありましたが、連絡を取り合うところが1つになったことによる効率化のメリットがとても大きかったです。

 PyCon JPでは国際カンファレンスとしてビーガン・ハラールの料理提供を取り組んでいますが、パーティーでは人数分用意した料理がなくなってしまわないよう毎年配置に苦慮していました。(一般向けの料理を食べることができないため)

 ただ参加者の反響として「ビーガン・ハラールの料理もとても美味しい・あまり食べる機会がないので食べてみたい」という声が多く聞こえたので、来年はビーガン・ハラールの料理をなくなる心配がないほどたくさん用意して、みなさんに楽しんでもらうのも面白そうだと思っています。

 また今年の反省としては、「パーティーで生ビールが飲みたい」という声がありました。(主に座長・副座長から)

 これは担当者がビールへのこだわりを持っていなかったことが原因なので、来年のパーティー担当者にはビール好きの方が最適かなと考えています。

 みなさんの参加アンケートの意見をもとに、来年はさらに充実したパーティーを設けることができるよう取り組んでいきます。

食事について

 会場チームの入澤です。

 限定的ではありましたが今年は朝食を用意することができました。あっという間になくなってしまったので、「そんなの知らなかったよ!」という方も少なくなかったかもしれません。朝食を用意したのは、基調講演を聞いてほしかった、という意図もあります。とはいえ、きちんとアナウンスできていなかったことは反省点です。来年は、スタッフの朝食も用意できたらいいな、と思っています。

 昼食はいかがでしたか。試食会を開き、スタッフで検討して決めたものです。小食の方には少し多かったかもしれません。昼食については一点、大きな反省点があります。カンファレンス二日目はビュッフェスタイルにしたのですが、お昼のジョブフェアが二階なのにも関わらず、持ち運びしやすいものを用意していなかったことです。それでも、ジョブフェアは盛況だったようでほっとしました。

会場準備

 会場チームの若林です。

 今年の会場は早稲田大学西早稲田キャンパスでした。 イベント会場ではなく大学での開催ということで早くから手続きにとりかかり細かな調整を行いました。 会場の下見も何度か行い、当日の会場内のレイアウトなどを練りました。

 前日準備では始めに机や椅子といった普段設置されているものを動かすところから始まりました。 会場設営はとにかく力仕事ですが活気あふれるスタッフのパワーにより順調に進みました。 下見で決めたレイアウトに従って設営したのでスタッフ手作りの素晴らしい会場になったのではないでしょうか。 ただこの日はあいにくの雨で、ずぶ濡れになりながらの作業でした。

 他にも宅配便で届く荷物の受取やポスターセッション用のポスターボードの設置など様々な仕事がありました。 宅配便は設営用の物品やスポンサーブースの荷物などですが、それらが一度に届くので驚く量になります。 私は初めてのスタッフでしたのであらゆることのその規模の大きさに驚かされました。

_images/venue_preparation.jpg

(前日準備の様子です。設営が進み雰囲気が出てきました。)

当日の様子

 当日はまず会場の鍵を開けるところから仕事がスタートしました。 会場チームとしては基調講演が行われる大きな部屋を仕切ったり繋げたりする作業が大きな仕事でした。 それ以外の時間は基本的に自由で、定期的に会場関係で問題がないか確認し、もしあれば対応するということを行っていました。

 当日は予想はしていたものの、参加者が一斉に無線LANへアクセスするためやはりインターネットが不安定でした。 これは来年の課題です。 また2日目は休日であったため、キャンパスの入り口が限られており分かりづらかったかと思います。 全体的に会場までのアクセスの情報が不足していたのでこちらも来年の課題です。

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(1日目のパーティー終了後にスタッフ全員でミーティングを行いました。)

後片付け

 2日目の午後には後片付けが始まりました。 頑張って準備したものを片付けてしまうのは少し寂しいですが仕方ありません。 準備同様に力のいる大変な仕事ですが、最後はみごとに原状復帰して完了です。

 このようにPyCon JP当日は力仕事がメインですが、当日までの準備では会場にまつわる様々な仕事を行いました。 一見地味に見える会場チームですが、PyCon JPのベースとなる部分を作ることができるのでとてもやりがいがあります。 当日は今までの準備や手続きに不備がないか不安でしたが無事成功のうちに全日程が終了したときはとても感動しました。

Information

 続いて、会場チームの稲葉です。

 自分は昨年より、この会場スタッフをして、今回で2回目となりますが、皆でいろいろと考えその役割も変わってきているのも大きな特徴です。

 当日は、Informationのデスク(会場のご案内、忘れ物のチェック、それの管理、その他困っていることの対応)をしました。これは新しい取り組みでとてもよかったと思っています。

 また英語でも対応することもしなければいけないので、そこはフルに活用できたので満足しています。

 こういうことはこれからも、どんどん改善していくことは必要ですし、来年はさらにもっと活用できたらと感じております。

 PyCon全体でもそうなのですが、皆でいろいろとアイディアを出し合い、考え、それが次の世代の架け橋に繋がっていくひとつの道しるべとなる、そんな気持ちで皆は取り組んでいるので、自分ではうまく言えないですが、何かすごいものを感じています。

会場チームがやってきたこと

 入澤です。

 会場チームの役割は、PyCon JP をスムーズに進行させることです。会場の予約や日程の調整は当然ながら一つの大きなタスクなのですが、他のチームが使用する備品や設備を調達したり、会場を作ったり、おやつや食事を調達したり、といった、「モノ」に関する仕事を担っていました。備品や設備、とひとことで言っても養生テープや段ボールなどの備品から、テーブルやパーティション、会場ネットワーク、といったものまで様々です。また、セッションの中継や録画、といった部分の調整も会場チームの担当となっていました。実際には中継や録画は専門の業者に依頼しています。ネットワークは早稲田大学のネットワークを使わせていただきました。

 会場チームとしてはおおよそ毎月1回の作業日を設け、顔を突き合わせて作業を行ってきました。作業場所はどうしても東京都内になってしまうため、自宅が近くないメンバーは Google Hangouts や Slack などを利用して作業日に参加していました。今年は北海道、栃木県、静岡県、福岡県、台湾といった様々な地域からスタッフが参加していたのですが、特に大きな支障もなかったように思います。

最後に

 入澤です。

 僕たちスタッフの PyCon JP 2016 が終わろうとしています。PyCon JP には何度か参加してきましたが、今年は僕にとって初めてのスタッフ参加でした。いろいろと至らぬ部分もあったかと思いますが、ひとまず大きな事故もなく終えられることを感謝しています。

 今回、パーティーでできるだけ多くの人に声をかけてみようと考えていたので、来場者の方々と乾杯をして廻りました。面倒だと思われるかもしれない、とも考えたのですが、みなさん快く乾杯してくださったことを覚えています。ありがとうございました。

 そして今回、とてもフランクに迎えてくれたスタッフのみなさん、こういった形で一緒に仕事ができたことを光栄に思っています。皆それぞれに個性的かつパワフルで、2016年の大切な記憶となりました。

 最後になりますが、PyCon JP 2017 の開催に向けた準備が既に始まっています。来年もまた、パーティー会場でみなさんとご挨拶できることを楽しみにしています。